ネイリスト検定とジェルネイル検定の違いは?優先度や課題内容を解説
「JNECネイリスト技能検定試験(以下、ネイリスト検定)」と「JNAジェルネイル技能検定試験(以下、ジェルネイル検定)」は、日本のネイリスト資格として最も著名な2つと言えます。プロのネイリストを目指すとき、まずはこの2つの取得を目指すという方も多いでしょう。
今回はネイリスト業界でも歴史と権威のある「ネイリスト検定」「ジェルネイル検定」について、それぞれの違いや優先順位、受験のスケジュールなどについてご紹介します。
【この記事でわかること】
- 「ネイリスト検定」と「ジェルネイル検定」の違い
- 「ネイリスト検定」と「ジェルネイル検定」は、どちらが重要か?
- 「ネイリスト検定」と「ジェルネイル検定」を受験する、おすすめの順番
- 「ネイリスト検定」と「ジェルネイル検定」それぞれの試験概要と受験者の感想
ネイリスト検定とジェルネイル検定の違いとは?
結論から言うと
- ネイリストとして広く全般を学ぶのが「ネイリスト検定」
- ジェルネイルに特化して学ぶのが「ジェルネイル検定」
です。 以下でそれぞれの詳細について解説します。
「JNECネイリスト技能検定試験」は総合力が求められる資格
公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが主催する「ネイリスト検定」は、ネイリストとして必要な知識や技能を網羅的に習得するための資格です。
2020年秋時点での累計受験者数は86万人を誇り、ネイリスト検定を取得することは、プロネイリストを目指す上で1つの指標となっています。
試験は1級~3級まであり、級があがるごとにより専門的な知識や難しい技術を問う試験内容となります。公式ページが発表している2020年秋までの累計合格率は、3級で84.22%、2級で41.23%、1級は37.74%ほど。
1~2級の合格には、いずれも入念な事前準備と練習が必要不可欠です。
「JNAジェルネイル技能検定試験」はジェルネイルに特化した資格
NPO法人 日本ネイリスト協会が主催する「ジェルネイル検定」は、ジェルネイルに関する技術や知識を深く身につけるための資格です。ネイルのことを幅広く学ぶネイリスト検定と比べ、より「ジェルネイルに特化した内容」を専門的に習得できます。
サロンでもジェルネイルの施術が増えてきた昨今、ネイリスト検定と同様に取得価値の高い資格として毎年多くのネイリストが受験に臨んでいます。
初級から中級、上級の3段階あり、こちらも級があがるごとにスペシャリストとしての技術や知識が必要となります。日本ネイリスト協会は合格率を公表していませんが、上級の平均合格率は50%を下回ると言われています。
ネイリスト検定とジェルネイル検定は、どちらが重要か?
「JNECネイリスト技能検定試験」と「JNAジェルネイル技能検定試験」はどちらも重要な資格ですが、強いて言うなら前者の「ネイリスト検定」の取得を最優先におくべきでしょう。
理由としては
- ネイリスト検定はネイルについて網羅的に学べるが、ジェルネイル検定はジェルネイルに特化している
- ネイリスト検定の方がジェルネイル検定より歴史がある
- 就職の必須要件として、ジェルネイル検定よりネイリスト検定を入れているサロンが多い
などがあげられます。
もちろんプロのネイリストとしては、両資格の1級・上級までを全て取得している状態が最も望ましいです。資格を取ることで、お客様や店舗からネイリストとしての信頼を得ることができます。
ネイリスト検定とジェルネイル検定、どんなスケジュールで取ればいい?
ネイリスト検定とジェルネイル検定、どちらも取得したいという方は多いでしょう。両者の受験順序をうまく考慮することで、より効率的に資格を取ることができます。
おすすめはズバリ、以下の順序で取得することです。
ネイリスト検定3級→ジェルネイル検定初級→ネイリスト検定2級→ジェルネイル検定中級→ネイリスト検定1級→ジェルネイル検定上級
ジェルネイル検定の初級はネイリスト検定の3級以上を、中級は2級以上を取得することで、実技試験第1課題(ネイルケア)の免除が可能です。
そのため基本的には、同級のネイリスト検定とジェルネイル検定を交互に受験するのが、最も効率的な方法と言えるでしょう。
ただし試験は必ずしも合格するとは限りません。あらかじめ「不合格だった場合の試験スケジュール」も考慮しながら、受験の計画を立てると尚良いでしょう。
「JNECネイリスト技能検定試験」の試験概要と感想
「JNECネイリスト技能検定試験」の試験概要と、実際に受験したネイリストさんの感想をご紹介します。
試験概要
- 3級・2級・1級
- 実技試験と筆記試験により実施
※ただし試験結果が「筆記のみ合格」の方は、次回試験で同級を受験される場合に限り筆記試験が免除
受験資格
ネイリスト検定の受験資格は以下のようになります。2級から受験する、3級の取得後に1級を受験するなどの飛び級はできません。
受験資格 | |
1級 受験者 | ネイリスト検定 2級合格者のみ |
2級 受験者 | ネイリスト検定 3級合格者のみ |
3級 受験者 | 義務教育の修了 |
試験回数
- 年に4回開催(春期・夏期・秋期・冬期に1回ずつ)
検定の難易度
ネイリスト検定の合格率は、級が上がるにつれ低い傾向が見られます。特にスカルプチャーやデザインの作成など、難しいスキルが求められる1級試験の合格率は、全体の3割ほどです。
就職までにネイリスト検定2級を取得し、サロンで働きながら1級を目指すネイリストも少なくありません。
2020年秋期までの統計 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
1級 | 141,432 | 53,379 | 37.74% |
2級 | 304,285 | 125,451 | 41.23% |
3級 | 423,412 | 356,612 | 84.22% |
合計 | 869,129 | 535,442 | 61.61% |
実際に受験した人の感想
ネイリスト検定とジェルネイル検定はどちらも難しかったですが、私はネイリスト検定1級が一番苦労しました。
1級はサロンに就職してから取得したのですが、実技試験で出題されるスカルプチュアネイルは、毎晩夜中に1~2時間くらい練習していたと思います。試験に必要なモデル探しや、モデルさんへの仕込みも大変でしたね。
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「JNAジェルネイル技能検定試験」の試験概要
「JNAジェルネイル技能検定試験」の試験概要と、実際に受験したネイリストさんの感想をご紹介します。
試験概要
- 初級・中級・上級
- 実技試験と筆記試験により実施
※ただし試験結果が「筆記のみ合格」の方は、次回試験で同級を受験される場合に限り筆記試験が免除
受験資格
ネイル検定の受験資格は以下のようになります。こちらもネイリスト検定と同様、飛び級はできません。
受験資格 | |
上級 受験者 | ネイリスト検定 中級合格者のみ |
中級 受験者 | ネイリスト検定 初級合格者のみ |
初級 受験者 | 義務教育の修了 |
※日本国内に受験票の送付先住所がある方のみ。
試験回数
- 年に2回開催
実技試験第1課題免除
ジェルネイル検定初級と中級は以下の要件を満たすことで、実技試験第1課題(ネイルケア)をパスできます。
- ジェルネイル検定初級……ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の3級以上、もしくは国際ネイリスト技能検定試験3級の取得で実技試験第1課題を免除
- ジェルネイル検定中級……ネイリスト技能検定試験(JNEC主催)の2級以上を取得することで、実技試験第1課題(ネイルケア)を免除
実際に受験した人の感想
ジェルネイル検定の受験に合わせて、単発のセミナーに通いました。費用は安くありませんでしたが、実際に講師の方の施術を背後から同じ目線で見られたため、非常に理解しやすくてよかったです。実践の授業で、講師の方から直接アドバイスが頂けたのも助かりました。
専門学校やセミナーに行くことで、より効率的な試験での立ち回り方や受験のコツなど、独学ではわからないノウハウも教えてもらえます。今は個人学習や通信講座で取得する方法もありますが、私はやはり専門知識を持った人に、きちんとお金を出して教えてもらうのが合格の近道だと思います。
まとめ
今回は「ネイリスト検定とジェルネイル検定の違いは?」というテーマで、両試験の概要や優先順位、試験の詳細などについて紹介しました。
ネイリストにとって資格は必須ではありませんが、お客様が安心して施術を任せられるためにも、取得しておくことが望ましいでしょう。今回の記事を読んで、検定への理解が少しでも深まったなら幸いです。
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